作品情報

ストーリー

「娘はいいの。生まれた時点で、お父さんの負けだから」

穏和な店主・進が切り盛りする小さなお店 ー居酒屋「栄」ー
そこには、うだるような夏の暑さにも負けじと常連客たちが集まってくる。
アルバイトの看板娘・由加に恋する若者、いつもイライラしているニューハーフも馴染みの顔だ。

留学のため、あと一週間で店を辞めてしまう由加が切り出したのは、自分の親の話。
進の親の所在が気になった由加がそのことを問うと、
進はポツリと一言。

「70年ものと42年ものだよ、重すぎだわ」
お互い年を取っての仲違いは、穏和な進の意外な一面だった。

そんなやり取りも日常の一つ。
しかし、毎日変わらぬ顔が揃うお店に、ある日、珍客が現れる。

出産を控えた母親の愛情を疑う男の子・テツガクと、勘当息子を失った喪服の老人・五十六。
2人の家族を思う気持ちにぶつかって、進と常連客たちは一緒に悩んだり悩ませたり、励ましたり励まされたりー
一方、由加は父親と反目し続ける進を不憫に思い、親子の対面を画策するのだが。

嘘と本音と酔っぱらいが混じり合い、思わぬ偶然が重なって……。