2009年5月23日
目だけ動かして見ます壁。
時計は5時49分。
まったく眠れませんでした。
体は疲れているはずなのに頭の中が冴えていて。
いや、逆です。
体は疲れていなかったけれど頭がしゃっきりとしないのです。
まあどっちでもいいかどっちもです。
熱いコーヒーが飲みたくなったので、朝早くから開いている近くの喫茶店に向かいました。
街道に朝もや。
土や木の匂いがしない無感覚なもやに、長距離トラックが何台も何台も吸い込まれていきます。
大きな音もいっしょに吸い込まれていくのが心細くて、小走りで通りをわたります。
喫茶店は挽きたてのコーヒーの匂いでいっぱいでした。
とても感覚的な匂いで鼻から胃までしびれます。
入り口近くの席に座ってコーヒーを注文しました。
しばらくすると顔のよく似た2人の女性が店に入ってきて、すぐうしろの席に座りました。
双子にも見えたし、仲のよい友達同士のようにも見えました。
しかし双子にしては服の趣味がちぐはぐだったなあなどと考えていると、その2人がわたしの背後でおかしな話を始めたのです。
生まれたときから1つの頭の中に2つの人格をもつことってあるのかな
どうかな
わたしたちみたいな双子っぽいの
1つの体に?
1つの頭に
あるんじゃない
だってそういうミステリーとかあるじゃない
あるね
でも逆はないね
ないね
つまらないね独り言は
そうねまったく
いつまでたっても
どちらがどちらに話をしているのか、よくわかりませんでした。
あるいは相手のいない受話器に向かって話しているような声の調子。
それから2人はコーヒーを1つずつ注文し、ゆっくり無言で飲みほして店を出ていきました。
山形の酒。雅山流 爆弾 大吟醸生生。
ばくだんだいぎんじょうなまなま。
よい香りととろみかん。
味わいは朝もやとコーヒーの間です。
家に帰ってぐっすり眠りました。

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