2008年12月 3日
彼の眼を見ていませんでした。
眼のわずか1センチ手前。彼のかけた眼鏡のレンズをずっと見ていました。
そのレンズに映っていた文字が気になって気になって仕方がなかったのです。
自分の眼を見てくれていると、彼は思っていたでしょう。
しかし残念なことに、わずかに瞳孔の開いた私の眼は彼の眼を捉えてはいなかったのです。
彼はしきりに心臓の位置について話していました。
人間てほぼ左右対称でしょ。
内臓の位置なんかはちょっとばかし違うけど。
気になるのは心臓だね。
なんで、どうして心臓だけみんな左って知ってんだろね。子供だって知ってる。
左右非対称が目立ちすぎるよ、あそこだけ。
右の人も稀にいるよ。
いずれにしても左右非対称でしょ。
みんな知ってるのは音が鳴るからだよ。
音が鳴らなければ、右か左かは気にならない?
気にならないよ。
なんで?
音が鳴らなきゃ死んでしまうもの。
彼が次の言葉を失っている間も、私はレンズの上の文字から眼を離しませんでした。
何語だかわからないし、反転してさらに訳が分からなかったけれど、とてもきれいに光っていて気になったのです。
そういう点で、彼と私はうまいこと合っているのでしょうね。
信念は決して私を裏切らないのです。

うむ切ないかもしれない。
そしたら、試しに男仲間同士のやりとりふうに読んでみてー。
ちょっとは違うかも。
by 小川 - 2008年12月 5日
余計せつないよー
by ほっちゃん。 - 2008年12月 5日
あらまあ。
たまには喜劇も書かねばだなー
by 小川 - 2008年12月 5日
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久しぶりのほっちゃん。です。
なんかすごく切ないですね。
by ほっちゃん。 - 2008年12月 4日