2008年7月23日
見晴らしのよいビルの屋上。非常口の陰で大の字。涼んで昼寝をしておりますと、急に生ぬるいものが首筋をかすめました。アスファルトのぬるさではありません。液体です。手で触れて匂いを嗅ぐととても臭いのです。まるで炎天下をすべってきたビールのよう。頭だけ起こして後方に首をひねると、屋上の端で同じように居眠りをこいている男がいるではないですか。ビール瓶を手にし、直射日光によく当たっています。不用意なものはかげろう、なまぬるいものは私の首筋から溢れ出て瓶に戻っているようにも見えました。男に「大丈夫ですか?」と声をかけても反応がありません。よく見ると、手元の瓶は口元が割れています。「ちょっとそこは暑くないですか?」と声をかけても無反応。ずいぶんと奇妙な格好で横たわっています。怪我はなく、息もしているようでしたが、どうもおかしな格好です。反対側のビルの屋上から飛んで来て着地に失敗したかのような格好です。試しに「失敗ですか?」と声をかけてみました。しかし反応はありません。「成功ですか?」と声をかけてみましたが、やはり何も起きません。もうかける言葉がないのに、頭だけ起こして奇妙な男を眺めているのはおかしなもの。姿勢を正して昼寝に集中することにしました。おやすみなさい。夏に、見晴らしのよい、ビルの屋上で、何も見晴らさずに、非常口のアスファルトが涼しい。それは白昼夢を誘います。奇妙な男がビール瓶を片手に反対側のビルの屋上を全力で助走。そういう夢です。

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