2008年3月24日
妙法寺の堀之内寄席を観てきました。
毎月23日にやってるんですが土日は稀でして、いつも平日なので見送っていたんです。
今回は縁日と重なって、露天も人も多くて賑やかでした。
木戸銭は500円と安い。茶菓子も付く。境内の休憩所に80人くらいで大入り。
春なのでちょいとおかしなお客さんもいましたが、楽しんで聴けました。
初っぱな、昔昔亭桃之助さんの「熊の皮」は初めて聴きました。
出来の悪い亭主がわけわからないこと言う体はよくありますが、これはシンプルで面白い噺でした。
中、笑福亭里光さんの「袈裟御前」。ベタな洒落が多いんですがこれはよかったー。
鶴光師匠のお弟子さん。
トリは春風亭鹿の子さんの「抜け雀」。これは有名な噺ですが、お客さんもみんな筋を知っているせいかあまりうけておらず、やりづらそうだったな……。
一番面白く聴けたのは里光さんの演目でした。
「袈裟御前」は鶴光師匠のを聴いたことがあって、文覚上人が登場する噺。
以下、すじを申しますんで、読みたくない人は目を隠してください。
文覚上人は、伊豆に流されていた源頼朝に「あんた平家を討ちなさいよ」と勧めた強者の坊さんなんですね。
もともとは遠藤盛遠という名の武士のエリートだったんですが、そんな文覚上人が、なぜ出家したのか? そのエピソードがもとになってまして。
途中、「お前なんで仏門に入ったんだ?」「ほっとけー!」みたいな洒落がいくつも入ります。
盛遠つまり文覚上人がまだ武士の頃、袈裟御前という絶世の美女に恋してしまうんですが、それが人妻だったんですね。
それでもエリート街道を走っていた挫折を知らない盛遠は、袈裟御前に無理にせまって、一緒にならねば母を斬るとまで言ってしまう。
そこで一計を案じた袈裟御前は「夫を亡き者にすれば……」と、夫の寝床を盛遠に教える。
その夜の丑三つ時、盛遠は言われた通りの寝床に忍び入り、寝首をバサリとやるわけです。
月明かりにかざすとその首は愛しい袈裟御前。
ああ、なんということ、そうであったか。
袈裟御前は夫の身代わりになったと悟った盛遠。
改心を誓って、袈裟御前を弔うために出家をする。
そうして、一ヶ月の断食を成功させる荒行を成し遂げる。
断食の後、そろそろ飯を食べないと体がもちません、と、お弟子さんがご飯を持ってくるがどうにも腹が受け付けない。
腹は減っているのに食べたすぐさま戻してしまう。
よく考えてみると、
「袈裟の御前が祟ってた」
というのが、以前に聴いたサゲでした。
でも今回のは違いました。
出家をした後に、前出の洒落が利いてくるんですねぇ。
「お前なんで仏門に入ったんだ?」と聞かれて、文覚上人は「ほっとけー!」なんて言わなかった。
それではなんと言ったのか。
「お前なんで仏門に入ったんだ?」
「袈裟が欲しかった」
しっくりきました。

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